Last Updated Mar/31/1997
*ED144 4:彦根駅付近にて1995
ED14形は、国鉄が東海道電化開業時に輸入した大正15年(1926)米国GE社
製の60t箱型デッキ付機関車で、当初は1060形と呼ばれていた。東海道線
を追われてからは中央線、飯田線、仙山線で主に貨物列車牽引に従事していた。
国鉄では昭和40年までに全機廃車されたが、近江鉄道ではセメント原石輸送の
開始によりED142、143の2両を譲り受け、さらに昭和41年までにED
141,ED144の払い下げを受け、再び4両の仲間が全員そろって東海道本
線を並走する近江鉄道に集結した。
セキ10両を牽引するED14 3 : 1975
私鉄の現有電気機関車としては、西武鉄道E811−854を除けば最大最強
で、強力さを買われて彦根−多賀間を"セキ"10両編成の石灰石輸送専用列車にの
み運用されていたが、日本石油のタンカー輸送強化の為、米原−彦根間の軌道整
備を行い、昭和58年6月から米原−多賀間を走るようになった。 彦根−多賀
間の住友セメントの原石輸送は、昭和61年3月で廃止され、ED142/14
3の2両は以後休車中。 残るED141/144は鳥居本−彦根間の石油輸送
が廃止になった昭和63年3月まで使用され、以後はもっぱら積雪時の除雪車両
として活躍している。
外観上の特徴としては、GE社の特徴でもある田の字窓は143・144の一
部に残されており、米国製ながら下回りが板台ワクであるのが珍しい。
ぶどう色のED14 4 : 1996/10
このようにED141−144は、近江鉄道に入線して以来、主に彦根(米原) −多賀間のセメント原石輸送専用車として貨物輸送廃止までの25年間走り続け、 国鉄時代から通算すると60数年、ちょうど昭和の時代を走り続けたことになる。
近 江 鉄 道 の E D 1 4 一 覧
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Photos courtesy of Ohmi Railways, except (Brown ED14), taken by H.Kawagishi